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エイチ・ツー・オーリテイリング 本店:大阪市北区角田町8番7号 【商号履歴】 エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社(2007年10月1日~) 株式会社阪急百貨店(1947年3月7日~2007年10月1日) 【株式上場履歴】 <東証1部>1962年9月21日~ <大証1部>1949年5月16日~2013年7月15日(東証に統合) 【合併履歴】 2003年3月 日 阪急共栄物産株式会社 2002年4月 日 株式会社宝塚阪急 【沿革】 昭和4年4月 阪神急行電鉄株式会社の百貨店部門が大阪梅田で開業 昭和11年4月 神戸支店(三宮阪急)開業 昭和14年11月 植田奈良漬製造株式会社(現阪急食品工業株式会社(子会社))設立 昭和22年3月 京阪神急行電鉄株式会社の百貨店部門が分離独立し、株式会社阪急百貨店を設立 昭和22年4月 株式会社阪急百貨店が開業 昭和24年5月 株式会社阪急百貨店が大阪証券取引所市場第一部上場 昭和27年8月 阪急物産株式会社と阪急共栄製薬株式会社とが合併し、阪急共栄物産株式会社(子会社)設立 昭和28年11月 東京大井店(大井阪急)開業 昭和31年5月 数寄屋橋阪急開業 昭和35年10月 株式会社阪急オアシス(子会社)設立 昭和36年10月 阪急共栄物産株式会社(子会社)が大阪証券取引所市場第二部上場 昭和37年9月 株式会社阪急百貨店が東京証券取引所市場第一部上場 昭和45年3月 千里阪急開業 昭和51年10月 四条河原町阪急開業 昭和57年10月 阪急イングス(阪急百貨店イングス館)開業 昭和59年10月 有楽町阪急開業 平成元年4月 川西阪急開業 平成4年10月 神戸阪急開業(平成4年4月 株式会社神戸阪急(子会社)設立)。株式会社エイチディ開発(現株式会社阪急ショッピングセンター開発(子会社))設立 平成5年4月 宝塚阪急開業(平成5年1月 株式会社宝塚阪急(子会社)設立) 平成7年1月 三宮阪急閉店(阪神・淡路大震災のため) 平成12年3月 都筑阪急開業 平成12年4月 阪急大井町デイリーショッパーズ開業(大井阪急をショッピングセンターに業態変換) 平成13年12月 株式会社神戸阪急の営業全部を譲受け(株式会社神戸阪急解散) 平成14年4月 株式会社宝塚阪急を吸収合併 平成14年5月 株式会社阪急キッチンエール(子会社)設立 平成14年10月 株式交換により阪急共栄物産株式会社を完全子会社化(大阪証券取引所第二部上場廃止) 平成15年1月 阪急共栄物産株式会社が、株式会社阪急ファミリーストア他4社(いずれも子会社)を分割設立 平成15年3月 阪急共栄物産株式会社を吸収合併 平成16年3月 株式交換により阪急食品工業株式会社を完全子会社化 平成16年10月 モザイク銀座阪急開業(数寄屋橋阪急をショッピングセンターに業態変換)。堺北花田阪急開業 平成17年9月 三田阪急開業 平成18年6月 阪急食品工業株式会社が、会社分割により株式会社阪急フーズ他2社(いずれも子会社)に事業を移管 平成18年7月 株式取得により株式会社ニッショー(現株式会社阪急ニッショーストア)を子会社化 平成18年9月 株式会社阪食(子会社)設立
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ライチュウ 概要 こんな時に使おう 欠点 タグ タグ一覧
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携帯用リンク集 したらば現行スレ したらば雑談スレ BB攻略板 BB雑談板 他キャラ攻略wiki 総合wiki ラグナwiki ジンwiki ノエルwiki テイガーwiki タオカカwiki・タオカカwiki2 レイチェルwiki アラクネwiki ライチwiki カルルwiki ハクメンwiki ν-13(Λ-11)wiki・ν-13まとめ攻略サイト ツバキwiki ハザマwiki μ-12wiki マコトwiki ヴァルケンハインwiki プラチナwiki
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概要 フェスミッション デルパワーデルパワー一覧 記録をみる 概要 Cギアのワイヤレス・すれちがいログからハイリンクに行くことができる。 前作と違い今作はミッションを1人で行うことも可能になり、やりやすくなった。 フェスミッション ⇒詳しくはフェスミッションを参照。 デルパワー ミッションクリア時に「開催者のROMに応じたハイルツリーレベル」が上がることがあり、ハイルツリーレベルに応じて取得できるデルパワーの種類が増える。未クリア、クリア済みは関係なく、単純にスコアが高いほどレベルは上がりやすい。 参加者全員のレベルが上がるとは限らない。Lvが低いときはスコアが0でも上がることがある。 一度に数レベル上昇する場合もある。最大で10レベル。(きのみ集めLv1を700点で確認) 取得したデルパワーの中から3つをCギアにセットしておくことで、非戦闘時にいつでもすれちがいログ下、▽から選んで発動することができる。発動時にデルダマを消費するが、発動させるデルパワーによって消費数は異なる。デルダマはフェスミッションやPGLなどで集められる。フェスミッションがある分、前作よりずっと集めやすい。 前作と違い、他プレイヤーのハイルツリーからデルパワーをセット出来なくなった。 デルパワーは使用した瞬間から有効、制限時間が来ると効果が切れる。効果は使用者自身とすれ違い範囲内の他プレイヤーに及ぶが、デルダマの消費は使用者自身のみデルパワーを使う側がその後にセーブしないでソフトリセットすれば、デルダマは減らない。これを利用すれば周辺のプレイヤーはデルパワーを使い放題できる。 周囲の人は「すれちがいログを確認した時点」で発動するかどうかを聞かれるすれ違いログを確認しない、もしくは発動するかどうか聞かれた状態を保てば、後から発動できる。その画面の状態ですれちがった記録もちゃんとあとから追加されるので、心配はない。外出時にすれ違って、帰宅後にデルパワーを発動させるなどすると無駄にならない。 デルパワーは戦闘中に制限時間を超えても戦闘終了まで効果は持続し、終了と同時に切れる。例:おこづかいパワー +++が発動している状態でトレーナー戦に突入し、戦闘時間が制限時間の3分を超えても本来の3倍のおこづかいが貰える。 デルパワー一覧 赤字は本作で初登場のパワー(BW1では認識・送受信できない) デルパワー 取得条件 玉消費 制限 効果 そうぐうパワー + ブラックLv9ホワイトLv3 2個 3分 野生のポケモンと少し遭遇しやすくなる ++ ブラックLv12ホワイトLv8 3個 3分 野生のポケモンととても遭遇しやすくなる +++ ブラックLv19ホワイトLv14 4個 3分 野生のポケモンとかなり遭遇しやすくなる - ホワイトLv5 2個 3分 野生のポケモンと少し遭遇しづらくなる -- ホワイトLv10 3個 3分 野生のポケモンととても遭遇しづらくなる --- ホワイトLv26 4個 3分 野生のポケモンとかなり遭遇しづらくなる タマゴふかパワー + ホワイトLv13 3個 3分 タマゴが少しかえりやすくなる ++ ホワイトLv22 4個 3分 タマゴがとてもかえりやすくなる +++ ホワイトLv30 5個 3分 タマゴがかなりかえりやすくなる なつきパワー + ホワイトLv7 2個 3分 ポケモンが少しなつきやすくなる ++ ホワイトLv19 3個 3分 ポケモンがとてもなつきやすくなる +++ ホワイトLv25 4個 3分 ポケモンがかなりなつきやすくなる やすうりパワー + ブラックLv13 3個 3分 フレンドリィショップで10%オフの安売りがはじまる ++ ブラックLv22 4個 3分 フレンドリィショップで25%オフの安売りがはじまる +++ ブラックLv30 5個 3分 フレンドリィショップで50%オフの安売りがはじまる HPかいふくパワー + 初期 2個 瞬時 先頭にいるポケモンのHPが20回復する ++ ホワイトLv2 3個 瞬時 先頭にいるポケモンのHPが50回復する +++ ホワイトLv16 4個 瞬時 先頭にいるポケモンのHPが100回復する PPかいふくパワー + ブラックLv7 2個 瞬時 先頭にいるポケモンのPPが5回復する ++ ブラックLv19 3個 瞬時 先頭にいるポケモンのPPが10回復する +++ ブラックLv25 4個 瞬時 先頭にいるポケモンのPPが全て回復する けいけんちパワー + 初期 2個 3分 貰える経験値が少し上がる ++ ブラックLv2 3個 3分 貰える経験値がとても上がる +++ ブラックLv16 4個 3分 貰える経験値がかなり上がる - ブラックLv3ホワイトLV9 2個 3分 貰える経験値が少し減る -- ブラックLv8ホワイトLv12 3個 3分 貰える経験値がとても減る --- ブラックLv14ホワイトLv19 4個 3分 貰える経験値がかなり減る おこづかいパワー + ブラックLv5 2個 3分 戦った後貰えるおこづかいが少し上がる (1.5倍) ++ ブラックLv10 3個 3分 戦った後貰えるおこづかいがとても上がる (2倍) +++ ブラックLv26 4個 3分 戦った後貰えるおこづかいがかなり上がる (3倍) ほかくパワー + ブラックLv5ホワイトLv5 4個 3分 ポケモンを捕獲する確率が少し上がる ++ ブラックLv11ホワイトLv11 5個 3分 ポケモンを捕獲する確率がとても上がる +++ ブラックLv30ホワイトLv30 6個 3分 ポケモンを捕獲する確率がかなり上がる たんさくパワー + 初期 5個 3分 揺れる草むらや土煙が少しだけ見つけやすくなる ++ ホワイトLv5 10個 3分 揺れる草むらや土煙がとても見つけやすくなる +++ ブラックLv15ホワイトLv15 15個 3分 揺れる草むらや土煙がかなり見つけやすくなる S ホワイトLv100 50個 10分 揺れる草むらや土煙がかなり見つけやすくなる かくしあなパワー + ブラックLv10ホワイトLv10 5個 3分 隠し穴でポケモンと少し出会いやすくなる ++ ブラックLv20ホワイトLv20 10個 3分 隠し穴でポケモンととても出会いやすくなる +++ ブラックLv30ホワイトLv30 15個 3分 隠し穴でポケモンとかなり出会いやすくなる S ブラックLv50ホワイトLv50 50個 20分 隠し穴でポケモンとかなり出会いやすくなる おまじないパワー + ブラックLv7ホワイトLv7 10個 3分 めずらしいポケモンとちょっぴり出会いやすくなる ++ ブラックLv21ホワイトLv21 20個 3分 めずらしいポケモンと少し出会いやすくなる +++ ブラックLv49ホワイトLv49 30個 3分 めずらしいポケモンと出会いやすくなる。色違いのポケモンと出会いやすくなる S ブラックLv100 50個 10分 めずらしいポケモンと出会いやすくなる。色違いのポケモンと出会いやすくなる 記録をみる ハイリンクツリーのLvや使えるデルパワーの数、今までのミッションの記録が見られる。
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ブレイブルー(BLAZBLUE) 作品情報 公式HP http //blazblue.jp/ 31枚 ブレイブルー ラグナ・ザ・ブラッドエッジ ジン・キサラギ ノエル・ヴァーミリオン レイチェル・アルカード タオカカ テイガー(TR-0009) ライチ・フェイ・リン アラクネ シシガミ・バング カルル・クローバー ハクメン ν-No.13- ツバキ・ヤヨイ(ブレイブルーver) メカツバキ(ぶるらじ) ブレイブルー コンティニュアム・シフト ツバキ・ヤヨイ ハザマ Λ-11 μ-No.12- マコト・ナナヤ ヴァルケンハイン プラチナ・ザ・トリニティ ブレイブルー コンティニュアム・シフト エクステンド レリウス・クローバー ブレイブルー クロノファンタズマ ツバキ・ヤヨイ ノエル・ヴァーミリオン バレット アマネ・ニシキ アズラエル イザヨイ カグラ・ムツキ ユウキ・テルミ ココノエ
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対空表地対空立ちA 立ちB 2B 立ちC 6C 立ちD 2D 空対空JA JB JD 空中投げ コメントフォーム 対空表 「編集すんのめんどくせーぞ!」という方は、気軽にコメントの方で追加・訂正をお願いします。 技ごとじゃなくて相手キャラごとの方が見やすいでしょうか。 地対空 立ちA ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ JA,JB,JC(先置き) JC(遅れた場合) CID(無敵で負け) JD,DID,GH - ジン JA,JC(根本) JB JC(先端) - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ JB - ライチ 棒JC(真下で先置き) - カルル - バング JC(リターン負け) - ハクメン - ν-13 JA,JB,JC(先置き),J2C - 立ちB ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ JC JD - ジン JB JC(根本) JC(先端) - ノエル - テイガー - タオカカ JC(先端や真上以外) JA,JD JB,JC(先端や真上) - レイチェル - アラクネ JB - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - 2B ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - 立ちC ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン 霧槍尖晶斬 - ノエル - テイガー - タオカカ JA,JB,JC(真上以外) JC(真上) - レイチェル 風6C - アラクネ - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - 6C ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - 立ちD ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - 2D ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - 空対空 JA ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ - ライチ 棒JB(要タイミング調整) バックダッシュJC - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - JB ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - JD ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - 空中投げ ○勝ち(たまに相討ち) △相討ち ×一方的に負ける ?不明 備考 ラグナ - ジン - ノエル - テイガー - タオカカ - レイチェル - アラクネ - ライチ - カルル - バング - ハクメン - ν-13 - コメントフォーム Dと2Dは分けたほうがいいと思う。JAとかあるならJD、空投げも項目に増やしてくれたら熱い -- (名無しさん) 2009-02-23 23 22 53 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ID.3101~3200 魔法少女レイリン ステータス ステータス No 3151 Lv 99 Rare ☆6 属性 闇 種族 獣 COST 35 最小HP 1757 最大HP 3514 限突最大HP 3759 最小ATK 1143 最大ATK 2286 限突最大ATK 2354 Limit Over 45 Charm 100.0 スキル スキル リーダースキル LS:ソルセルリーシャンジュモンVI 闇属性または獣族のHPが2.5倍、攻撃力が2倍。さらに、闇属性2・3・4パネルスキルが全て成立した時、攻撃力が1.8倍になる アクティブスキル AS:ソンブル・マジク 味方全員のHPを25%回復し、4ターンの間、敵から受けるダメージを25%減らす ターン 最大 20 最小 10 スキル1 NS:アンスタン 敵全体に闇属性の特大ダメージを与える スキル2 PS:フィアーブル・マジク 敵から攻撃を受ける時、手札の闇パネル1枚につきダメージを5%減らし、そのパネルをランダムに変換する リンク リンク リンクボーナス LV HP ATK 1 0 113 99 0 436 レースボーナス ・HP+250アップ/クリティカル威力+10.0% リンクスキル LiS:アンスタン 敵全体に闇属性の特大ダメージを与える リンクパッシブ LiP:リンクハンズ:ヒール5/8 攻撃時のトータルHANDS数が5以上のとき、味方全員のHPが8%回復する その他 進化 進化 レイリン ⇒ 魔法少女レイリン 必要素材 入手方法 進化:レイリン プロフィール プロフィール 『ヒロインズアカデミー』を卒業した魔法少女は国家公務員となり正義のために戦う事になる。その礎となった『警視庁生活安全部魔法少女隊』に所属していたのがレイリンとシェルミナだ。『おっ、シェルミナじゃん! 久しぶりにどっちが多く敵を倒せるか勝負しねーか? 管理職でナマってたら承知しねーぞ!?』 関連 ID.3101~3200 イラストレーター レイリン 闇の魔法少女 魔法少女レイリン 備考 コメント 名前 コメント
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その年の秋、僕らの『クニ』は滅んだ。 新たな領地の領有を主張して大国シン国と衝突し、開戦した。 戦いが始まってしまえば、力の差は歴然としていた。圧倒的な兵力の差に、僕らはなすすべもなく踏み潰されるしかなかった。 静かな山地である桂花山で、ひっそりと焼畑による農業を営む僕たちが、どうして大国シン国と戦を構えなければならなかったのかと言えば──ただ、飢えていたのだ。 はじまりは、旱魃による不作だった。暑く、雨の降らない夏があり、井戸は枯れ、川は干上がり、 作物は収穫を待たずして枯れた。 その年は、まだ良かった。僅かながら蓄えもあったし、森の恵みはまだ充分にあり、食べられる 木の実や野草、それに森の獣や鳥を狩って凌ぐことができた。 だが、次の年は、寒い夏だった。 作物はまたしても実らず、森の木の実も多くは青いままだった。 僕らのクニにあった蓄えは、そこで尽きた。次の年まで食いつなぐには、野草や木の皮、木の根まで、 口にできるありとあらゆるものを食べた。 次の年にはほどほどの実りがあったが、蓄えが尽きていた僕らは早い時期に収穫せねばならなかった。 その頃から森は荒れ、森の獣も鳥も、目に見えて減っていた。 まるで何かの、歯車が狂ってしまったようだった。焼畑のために放った火ではなく、失火による 山火事も何度かあったし、僕らは尽きた蓄えを増やせないまま、収穫の細った森の恵みに頼っていた。 僕自身もまた、何年ものあいだ、お腹いっぱいに食べたことなんてほとんどなかった。桂花の民の中には 飢えのために病に罹って死ぬ者もいた。 僕らはシン国とは極力交流を持たずに暮らしていたが、こっそりと山を下りて食糧を調達してくる者たちも いた。けれど元々、僕らにはシン国で価値のある財貨などの蓄えもなく、僅かな宝石などの家宝も次々と 買い叩かれたのだった。 そして、この夏。 前の旱魃から五年目に当たる年、再びひどい旱魃に見舞われたのを機に、僕らは遠い祖先が領有していた という山の麓のいくつかの丘地の所有権を要求した。当然その土地の現在の主であるシン国は僕らの勝手を 許さず、交渉は決裂して秋には開戦に至った。 僕らの『クニ』だって、全く勝算がないまま戦を始めたわけではない。多くの桂花の民はそう思っていた のだろう。 もう昔語りにしか残らないほど遠い昔、シン国の前の前の王朝あたりのときに、この巨大な中華の国と 戦って、そこそこの勝利を収めていたのだ。 しかしそのときの戦いは、自陣に深く敵を誘い込んでの、地の利を生かした戦いだった。狭い山道では、 おのずと敵兵も細い列にならざるを得ない。そのときの桂花の民は、鬱蒼とした森の木々の間に身を 潜めての挟撃、岩落とし、炎攻めなどを駆使して敵将を討ち取ったらしい。 あとから考えると、僕らが地の利のある桂花山を降りて戦おうとした時点で、もう負けは見えていたと 言わざるを得ない。そして後でシン国側に残った前の戦いの記録を見せてもらったことがあるが、前に 僕らが勝ったと思っていた時の王朝は、さして大きな国でもなく、既に内政は乱れており、山奥の蛮族 との戦いにあまり重きを置いていなかった。 桂花山はさして魅力のある土地でもなく、そのときの王は、境界線をほどほどのところで引いて終わりに するのをよしとしたのだ。 この秋、身の程知らずの要求をした山奥の弱小民族に対して、シン国は精鋭の正規軍を差し向けた。 初めからあまり時間をかけず、短期決戦の構えだった。 そして僕らは、捻り潰された。 残った人々は、女子供に至るまで全て捕虜となり、先祖代々の土地を離れてシン国に隷属することになる。 それでも、僕は願った。 お願いだから、あきらめてしまわないで。どうか、生き残って。 狂った歯車は元に戻せないと、全てを投げ捨ててしまわないで。 たとえ桂花の山を失い、散り散りになったとしても、僕らの誇りを忘れないで。 貧しくとも僕らは山の神々と共に生きていた。どこへ行くにしても、神々はきっと僕らとともに在る。 僕の切実な訴えは、果たしてどのくらい彼らに届いたのだろうか。 桂花の民の先陣部隊は、ほとんどがあっという間に戦死するか、捕らえられてしまった。 ──残った後続部隊と、里に残る女子供を、我々シン国の指示に従うよう、説得すること。 それがあの『偉い人』と交わした約束だった。 ──彼らは全て捕虜となってこの地を離れて貰う。 従順である限りは、身の安全と食の確保を約束しよう。 ただし、反抗する者は、即座に斬る。 戦のときに負った傷が元で、その後すぐに高熱を出してしまい、どこかの施療院らしきところに 放り込まれてしまったので、生き残った人たちがその後どうなったのか僕は知らない。 何日くらいそこで、寝ていたのかも憶えていない。ともかく傷が癒えるまではそこで留め置かれ、 それから王都までの長い旅程を馬車の荷台で辿ることになる。 * * * 「……。」 「……。」 「……。」 「……。」 夕方になって帰宅したメイリンの家族との対面は、まず無言の睨み合いから始まった。 メイリンの言ったとおり、昼に着替えをさせてもらったものの、僕の両腕にはまだ木製の手枷が 嵌ったままだ。 「父上はいつもの通り、どこかへお出かけになっておられる。母上もいつもの通り、お仕事が忙しく、 帰りは夜半頃になるであろうと。 というわけで、いま会わせておけるわたしの家族を紹介しておく。 一番右に居られるのがわたしの上の兄君で、ユイウ兄様。刑部で市中警邏の仕事をなさっておられる。 その横が、下の兄君で、スゥフォン兄様。こちらは戸部の通商部で、王都と他地域の商いの認可の お仕事をなさっておられる。 一番左が、わたしの弟。名前はシゥウェン。わたしと同じ盛陽学院に通っており、なかなかの秀才だ。」 その中でひとり、上機嫌で話し続けているのが、メイリン。にこにこと僕のほうを見て喋っているので 気付かないようだが、後ろのメイリンの兄弟たちは揃って僕のことを視線だけで射殺しそうな勢いで 睨んでいる。なんか恐い。 「…ねっ、兄上様?」 くるりとメイリンが振り返った途端に、妹に柔和に微笑む兄の笑顔に早変わりして、その見事な豹変ぶりに 僕は目を剥く。弟のほうは若干無表情で、視線の険しさが瞬時に消えるくらいか。 恐い。シン国人なんか恐い。 「兄上様たちにはかねてからの約束通り、ユゥに武芸と学問を教えて頂く。 ユイウ兄様には剣技を、スゥフォン兄様には地理と通商学と歴史学をひととおり。 そのほかはわたしが教える。」 「姉様、僕は?」 一呼吸置いて、一番左にいたメイリンの弟が声を上げた。 「ああ、シゥウェン。おまえの賢さはよく分かっているが、まだ幼い。 いまは自分の学業にしっかりと励め。必要以上に他人に時間をかける必要はない。 おまえの賢さには、皆が期待しているのだからな。」 メイリンは急にお姉さんぶった口調で話し始める。 「姉様だってまだ学院生でしょう。そんなのに関わっている暇は、ないんじゃないの。」 「ふむ。そうは言っても、ユゥはわたしの従僕として頂いたのだから、私が責任を持って教育せねばならぬ。」 彼は少し幼さの残る顔立ちを、不満そうに歪めた。メイリンよりも二、三歳下だろうか。 「俺達年長の奴らにはもう期待も何も無いから手伝えって?」 右側に立っていた年長の兄、と紹介された男の人が口を開いた。一番背が高く、鍛え上げられた精悍な 体つきをしている。男らしい顔立ちだが、目元はメイリンにそっくりだ。 「そんな、兄上様方はそれぞれの部署で将来を嘱望される優秀な人材ではありませんか。だからこそ、 ユゥの教育に力をお貸しいただきたいとお願いしたはずです。 特に、ユイウ兄様の剣技は既に母上様をも凌駕するほどです。ユゥは是非、兄上様の御指導を 賜りたいのです。」 「確かに山出しの小僧がひとり、来るとは聞いていたが……こんなどこの馬の骨とも知れん奴とは 聞いていない。」 「何を仰っておいでです? ユゥはウォン家の三男、身元はしっかりしております。」 彼は少し苛々したように視線を彷徨わせた。 「それがしっかりした内に入るか。……そうではなく、おまえ付きだとは聞いていない。」 「ユイウ兄様、兄様もわたしが父上にそのことをお願いした、あの場にいらしたではありませんか。」 メイリンはくすり、と笑った。 「……だからわざわざ俺に分からん言葉を使って交渉したのか!! あんな辺鄙な山奥の方言など、いちいち憶えられるか!!」 メイリンと上の兄君が言い合っている間、僕はスゥフォンと紹介された次兄から観察されて、いや、 静かに睨みつけられていた。 顔立ちは、メイリンの父親であるあの『偉い人』に一番似ているかもしれない。少し癖のある髪を 結い上げて、整った、表情の読めない顔をこちらに向けて、深い色の瞳でじっ……とこちらを見ている。 なんというか、蛇に睨まれた蛙というのは、こんな気持ちなんだろうか。見られているだけなのに、 脂汗が出る。 「兄様、わたくしのたってのお願い、聞き届けていただけませんか?」 少し次兄のほうに気を取られている間に、メイリンが褒める戦術から媚びる戦術へと路線変更したようだ。 僕にも妹がいるから分かる。とびっきりの可愛い声で、少し上目遣いに媚びた目で『お願い』する、 特に可愛がられている妹ならではの必殺技だ。 「……っ。別に、駄目だとは言っておらぬ。父上から仰せつかっていることだしな。」 そして可愛い妹を持つ兄の例に漏れず、この家の長兄もまたメイリン必殺の『お願い』には弱いようだった。 「良かった、ユイウ兄様、大好きっ。」 メイリンは、背の高い兄にぎゅっと抱きついた。多分この兄妹の中で、メイリンが最強なんじゃないだろうか。 「ところでメイリン、教える範囲なんだけど」 僕を静かに睨んでいたメイリンの次兄は、すっと表情を入れ替えるようにして柔和な笑顔を浮かべて メイリンに話しかけた。 その隙に長兄のユイウという人が、僕とがっしりと肩を組んで、メイリンに背を向けるようにして話し始める。 「よぉ、馬の骨。」 不穏だ。口許は笑っているが、目は笑っていない。 表情を強張らせた僕に、彼は低い声で訊いた。 「おまえ、うちの妹に手を出したのか。」 「えっ?」 「訊かれたことには正直に答えろ。おまえ、昨夜うちの妹に手を出したのか。」 かなり、恐い。でも、メイリンは兄達に焚きつけられたとか言ってたので、ここは正直に答えておかないと まずい気がする。 「出しました。」 「最後までか。」 「最後までです。」 「よし、死んどけ。」 彼は表情も変えずにそう言った。 ひっ、という短い悲鳴さえ上げる余裕は無かった。せめて何か抵抗しようにも、手枷が嵌っていて自由に 動けない。視界がじんわりと暗く霞み、訳も分からぬまま闇の底に沈んでゆくような感覚に恐怖した、そのとき。 「ユイウ兄様、ユゥを苛めないでっ!」 メイリンの、声がした。 首に巻きついていた腕が離れ、げほげほごほごほ、と咳き込みながらやっと、息が苦しいという感覚もなしに 首を絞められていたのだと気付く。 「苛めてるんじゃない、既に稽古だ。手の自由を奪われたくらいで弱くなるなど、本当の強さじゃない。」 座り込んで頭痛と眩暈に耐えている僕の視界に、いい匂いと共にふわりとメイリンの裳裾がひらめく。 「もぉっ!! そういうのは、ユイウ兄様くらいの達人の話でしょう!! ユゥはまだこれからなのだから、弱い者いじめです!! 手枷がついてるうちは、兄上様達に任せては危ない。稽古は手枷が外れてからですっ!!」 メイリンは怒ったようにそう言い放つと、僕の手枷の嵌められた手を取って歩き出した。 僕はふんわりとした服の裾が僕の服に纏わりつくようにひらひらと舞うのを、不思議な気持ちで眺めていた。 「父上のお許しが出れば、その面倒な枷も外して貰える。 明日か、多分明後日までにはお許しが出ると思う。『二、三日大人しくしていれば』、外してくださると 仰ったから。 だからユゥ、しばらくは、大人しくしていてね。」 しばらくも何も、こんな手枷をつけたまま大人しくする以外にどうしていればいいのだろう。 「父上は一旦お出かけになったらいつお戻りになるか分からないからね。ひと月お戻りにならない こともざらだよ。」 後ろから、メイリンの次兄のスゥフォン様が口を挟んできた。あくまで優しげな口調で。しかしその 内容には毒が含まれている。 「違いますっ! わたくしに二、三日と約束なさったのだから、父上はちゃんとお戻りになられますっ!!」 「いいから離れろ、年頃の娘が、はしたない」 今度は大きな手がぐい、と僕とメイリンをふたつに分けた。上の兄、ユイウ様だ。 「兄上様方、今日はもういいですっ!! 後はわたしが、邸を案内しますから!!」 「案内なら俺たちもいたほうがいいだろう、なあ?」 後ろを見ると、メイリンの兄弟たちは三人とも付いてきていた。 メイリンに小声で聞いてみる。 「なんか昨日、『兄上達に焚きつけられたから』みたいなこと、言ってなかった? それにしては雰囲気がやけに恐いんだけど。」 「ど・こ・の・世界に、可愛い妹にふしだらなことを焚き付ける兄がいる?! 常識的に考えろ!! もう一遍死んどくか?!」 即座に頭上から威圧的な声が降ってくる。うわあ、昨日の今日で常識を要求されるとは思わなかった。 常識ってどこに行けば貰えますか。それって美味しいですか。是非教えていただきたい。 「兄上様達は、いつもこうなのだ。わたしが何かしらしようとすると、いつもお前には無理だ、 やめておけと邪魔をなさる。だからわたしは必ずやり遂げる、と宣言したのだ。」 メイリンは少し口を尖らせて言った。彼女の中では全くこの論理に矛盾は無いようだった。 そういえば昨日、父親の意向についてはしつこいくらいに聞いたけど、兄君の意向については言及し忘れたような。 「くっ…! この、はねっかえりが……!!」 屈強そうなメイリンの兄は苦々しげに言った。でもその言葉の端々に、妹をどうしようもなく可愛く 思っている兄の情が滲み出ている。 それで漸く、さっきから命の危険に晒されている理由が分かってきた。 メイリンの兄弟にとっては、僕は可愛い妹に付いた悪い虫。つまんで地面に捨てて踏み潰したい存在なのだ。 一応僕にも妹がいるので、その気持ちだけは分かる。 「それにしても、あれだけメイリンを溺愛している父上が、こういう下僕の存在を許すとはな。 来たとたんに一刀両断にされるかと思っていたが。」 「僕は端から細切れにして塩漬けにされるかと思っていたけどね。」 あくまで無骨そうな長兄に、次兄が優雅に応える。しかしその内容は、優雅とは程遠い。 「気にするな。兄上様方も、こういった御冗談がお好きなのだ。」 微妙な表情をしている僕を覗き込んで、花のような笑顔を浮かべたメイリンがそう言う。 メイリンの中では、完全に冗談ということで決着済みのようだった。が、僕には完全に本気にしか見えない。 「あ、あのね。さっき学問とか武芸とか言ってたけど、なんのこと? 僕はこれからここで、何をすればいいの?」 「馴れ馴れしい口を利くな。身分を弁えろ。」 メイリンに尋ねると、答えより先に後ろから厳しい声がかかる。 「ふむ。ユゥはわたしが貰った、わたしの従者。わたしの役に立つ人材になって貰う」 武芸だの学問だのと、奴隷には過ぎた待遇のような気もするが、そうか、役に立つためにはそれなりに 物を知っておけと言うことか。 「つまり、今のままでは全く役に立たない邪魔者というわけだね。」 やはり後ろから茶々が入る。 「もぉっ! スゥフォン兄様までっ!! 邪魔なのは兄上様のほうです、もうついてこないでっ!!」 「本当のことですよ、姉上。現状は正しく認識しないと、成長もありません。」 「シゥウェンまで。もう、う〜る〜さ〜い〜!」 メイリンはうんざりした声を出した。でも、だんだんこの兄弟の関係が見えてきた。 一番上の兄、ユイウ様は、強そう。そしてやや無骨。 二番目の兄、スゥフォン様は、上品だけど中身は怖そう。 メイリンの弟、シゥウェンは無口で、たまに言う一言がキツい。 兄弟仲は良く、そしてみんな、メイリンが好き。必然的にメイリンにつく悪い虫、僕のことは嫌い。 僕の立場は結構微妙なとこにあるみたいだ。 特に上の兄、首を締められて数秒で意識が遠のくとか、危険すぎる。 回廊を歩いていたメイリンが、ひた、と歩を止める。 「ここから向こうが、北の棟。北の棟は、父上と母上の居室。入っては駄目、憶えておいて。」 僕は辺りを見廻して、回廊脇の中庭に橙の木があるのを見つけた。美しく色づいた実が、もがれずにいくつも 実っている。夕暮れの明かりの中でその枝ぶりと葉の大きさを、僕は必死に記憶に留めた。 「母上は厳格な方だからな。おまえがメイリンに手を出したことが知れたら、即座にぶった斬られるぞ。」 上の兄、ユイウ様は楽しそうにそう言った。 「やめてください兄上。ユゥが固まっています。 大丈夫だからね、ユゥ。母上様は厳しいが、慈愛に満ちた方だ。ちゃんと話せば、必ず分かって下さる。 その……えーっと、近々、ちゃんと話す。それまではくれぐれも、北の棟には足を踏み入れないで。」 メイリンは最後のほう、目を泳がせて言った。ちょっと本当に大丈夫なの。 「メイリンは、母上の厳しさを甘く見すぎだ。むしろ今夜にでも行って、早々に斬られればすっきりする。」 「わだかまりは早いうちに解消したほうがいいしね。」 もちろん後ろの兄君達は上機嫌だ。振り返るとメイリンの弟も無言で頷いて同意を示している。 「もぉっ! みんな、ユゥは……わたしの、大事な、従者なのだから、苛めないでっ。 行こう、ユゥ。」 メイリンは枷のついた僕の腕に、細い腕を絡ませて早足で歩き出す。でもその速さは、後ろの兄弟を 完全に振り切ってしまうほどではなくて、やはり兄妹の仲の良さを感じさせた。 「ちょっと待て、おまえら、くっつき過ぎだ。」 「兄上っ! ユゥの件は、他でもない、父上様にお許しを得ているのですっ!! ですから、兄上であろうと、例え母上様であろうと、文句は言わせませんっ!!」 年上の兄君達も、メイリンの気迫にはちょっと気圧されたようだった。でもメイリン、そんなに ぎゅっと腕を抱え込まれたら、その……胸のふくらみが…当たる。 「まあ…いいか。そのうちそいつがヘマをして、父上に斬られることになるだろうしな」 「ユイウ兄様は、野蛮だなあ。一刀両断なんて、苦痛を感じさせる暇もないじゃないか。 殺すにしても、もっとじっくりゆっくり苦痛を味あわせてからにしないと。」 「…おまえ、そういうとこは父上似だよな。」 後ろのふたりは、僕に聞かせるように会話している。多分…気にしたら負けだ。 「もぉっ! 兄上様方、ユゥが怯えますっ! 父上様とて道理を弁えた御方、わたしの大切な従者であるユゥに、非道はなさいません!!」 メイリンはあくまでそんなことはないと言い張る。 「ユゥ、わたしはおまえの主。おまえの事は、わたしが守るから。」 メイリンは揺るがない瞳とまっすぐな声でそんなことを口にする。僕が守られる側ってのはちょっと 情けないが、こんなときのメイリンはかっこいい。どのみち僕としては、メイリンを信じてついて 行くしかなさそうだ。 それはそれとして……当たってる、柔らかいとこが。 「ユゥの当面の目標は……そうだな、まずはわが国のことを学び、わが国の考え方を、知恵を学び…… その上で、おまえの『クニ』とわたし達の国が、なぜ戦わねばならなかったのか、他の道はなかったのか、 おまえの言葉で、わたしに語れ。」 「……えっ。」 なぜ、戦わねばならなかったのか。こんなにも巨大で、圧倒的な国を相手に。 そんなこと、僕が聞きたい。 メイリンは、僕の動揺が分かったみたいだ。 「案ずるな、お前の知らぬことを、答えよという訳ではない。 ただ、おまえの部族の者は皆、頑なで、自らの都合をまくし立てるばかりで話にならぬのだ。 いまは……まだよい。わたしとおまえでは、育った土壌も、培ってきた知識も習慣も、何もかもが まるで違う。 まずは学ぶのだ、この国の在りようと、文化と技術を。そしてわたし達が見てきたものを知り、 同じように世界を見ることが出来るようになって、その上でおまえの知るところを語れ。」 メイリンが何を聞きたいのか、何を知りたいのか、今の僕には分からなかった。 ただあの戦が、僕達が何もかもを失った愚かなあの戦が、何故起こったのか。それは、僕こそが知りたい ことだ。 もしかしたら、故郷に向かう道筋も、その中から見えてくるかもしれない。 「わかった。……よくは分からないけど、頑張ってみる。 僕も、君と同じ世界が、見てみたい。なるべく、御期待に沿えるよう、努力するよ。」 僕の新しいご主人様、綺麗で可愛くてちょっとかっこいい高貴なお姫様のメイリンは、はにかんだように 少し笑った。 * * * その夜も、普通にメイリンの房室に呼ばれた。 メイリンは、僕を迎え入れると、貝の容れ物に入った軟膏を出して、僕の手首の手枷で擦れた部分に 塗ってくれた。木製の手枷と手首の隙間に、細くてなめらかな指を入れて、白い軟膏をくるくると塗って ゆくのが妙にくすぐったい。 「じきに、この面倒な手枷も取れる。そうしたらもっとちゃんと塗ってやる。 痕に、ならなければいいけど。」 「この程度の擦り傷に、薬なんて勿体ないよ。放っときゃ治るよ。」 メイリンは形のいい唇をキッと引き結んで言う。 「そういうわけには、いかぬ。甘く見ていて、化膿したらどうする。 第一、痕が残ったら、わたしが、見るたびに痛い。」 それからぽうっと、頬を薄赤く染める。 「その……昨夜は、無理をかけて、済まなかった。 なるべく、ああいう、無理強いはしないから。」 僕も昨日のメイリンを思い出してかあっと顔が熱くなる。 確かにちょっと強引だったけど……、可愛くて柔らかくて熱くて濡れて、一言で要約するなら……最高だった。 「今日は兄上達がうるさくて疲れた……もう寝よう。」 メイリンは僕を寝台まで連れて行き、としっ、と押して横向きに倒れ込ませる。 「あれ? さっき、無理強いはしないって……」 「うん、しない。だから、今日は眠るだけ。」 メイリンは爽やかな笑顔でそう返した。眠るだけ……ってちょっと。 「僕の寝る場所は、使用人部屋の端の方に確保してあるって、案内されたんだけど。」 「そんなものは、放っておけばよい。こちらの方が断然広いし、一人くらい増えても平気だ。寝具だって、 間違いなくこちらの方が良い物だぞ。」 メイリンは横向きに倒れっぱなしの僕にのしかかるようにして顔を覗き込む。 「ユゥは……わたしのこと、嫌い? 一緒に眠るだけも、いや?」 「嫌い……では、ないけど……」 いやあのね。嫌いじゃないからこそ、そういうの、困るんだけど。 「ならば、良いであろ? これから寒い季節になる。ふたりで、眠った方が暖かい。」 メイリンはそのままちゅっと、僕の頬にくちづけた。だから、そういうのが、困るんだってば。 結局僕はメイリンに上質な布団の中に引きずり込まれてしまった。横向きに寝て、両手は前で手枷に 拘束されたまま、後ろにはメイリンがくっついて、腕さえ廻してくる。 「ふふ…、やっぱり、暖かくて、気持ちいい。」 眠たげな声でそう言うメイリン。少しの間、冷たい足を絡めて来たりとごそごそやっていたが、 触れ合った足先が温まってくる頃には、もう健やかな寝息が聞こえてきた。 ──昨日の今日で、どうしてそう簡単に眠ってしまえる?! そりゃあ朝早くに起きて夕方まで出かけていたメイリンと、言いつけ通りにゆっくり過ごしていた 僕とでは、疲れ方も違うんだろうけど。 両手を拘束されて、背中側にはとびっきりの可愛い女の子が寝ていて。 こんな状況で眠れる男がいたら、そいつは絶対に神経がおかしい。 昨夜とは違う意味で、なんの拷問。 なんだか、メイリンの兄弟も不穏だし、メイリンの母親も、父親も安全とは言いがたい。 でも、一番の脅威は、メイリンじゃないかと思うんだ。 暴力的なまでの可愛さ、有無を言わせぬ強引さ、巧妙に仕組まれているとしか思えない、危なっかしさ。 いつか故郷に帰れるその日まで、本当にこの邸で生き抜いていけるのだろうか。 僕は二晩目にして、早速不安になってきた。 とりあえず、今晩をどう乗り切ればいいのか分からない。 後ろでメイリンがこてんと寝返りを打った。まさかとは思っていたが、しっかりと気持ちよさげに 眠っていらっしゃる?! なんて可愛くて、残酷な凶器なんだろう。 耐えろ、耐えろ僕。 故郷の土を踏むまでは、どんなことにも耐えてみせると、誓ったじゃないか。 どんなに夜が耐え難くて辛くて長くても、いつか、朝は来るのだから。 ……多分。 ───続く───
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ライチがデニから本格的な指南をしてもらえることになって1日。 デニから見て……進歩は無かった。 「うーーむ………」 「すみません」 「いや、お前が気にすることじゃない……だがこのままじゃまずいな……」 デニは考えた末に1つの結論に達した、ライチに木刀、並びに剣は向いていない。 もっと適正のある武器を用意する必要がありそうだ。 「となると、次は武器の問題か………」 となれば話は早い。 ライチには申し訳ないが、武器探しに街に同行してもらおう しかし、問題はここからだ。 この世界では貧困層にとって冒険者ライセンスは人権にも等しい、それを持っていないライチに武器を売ってくれるような店があるのだろうか? と、考えてると……ライチが行き倒れている人間に飯を与えていた。 「あれ、どうしたそれ」 「洞窟の近くで倒れてました、お腹すいたと言っていましたので」 「……ま、別にデンキウサギもキバフグも養殖してあるから構わんが」 …… 「こいつら結構食いやがって……」 デンキウサギ2匹、キバフグ4匹の死体を捌きながら、デニは呟く。 その横でライチは興味深そうに起き上がった2人を眺めていた。 それはそうだ、デニから見ればその格好は東洋風……分かりやすく言えば中華系の風貌。 この村とは雰囲気がかけ離れている、普通に考えれば余程遠い所から来たか、デニと同じ別世界の住民だろう。 「助かったアルヨ、ジュは名前、朱破浪(ジュ・ポーラン)というネ」 「その妹の商破浪(シャン・ポーラン)ヨ」 双子だと聞いて納得する。 髪の色や髪型が違うだけで顔立ちは瓜二つ。 服装も民族衣装のような物だし、間違えられても仕方ない。 「なんで倒れてたの?」 「世界越えてきたはいいけど、皆金出してくれないネ」 「いいもん用意してたのに寂しいヨ」 「お前ら商人か……なんかこの世界、貧困だと冒険者ライセンス無い奴は人権無いみたいだぞ」 「は!?」 「だから多分ここで売っても……ん?」 「ところでお前らなに売ってるの?」 …… 「ラッキー……お前ら武具商人だったのか」 運が良いことに双子の所持品の中には、武器防具が揃っていた。 しかも質が良く、見た目も良い。 武具商人としてのセンスもあるらしい。 この中からライチに合いそうなものを…… 「よしライチ、好きな物選んでいいぞ」 「え、でもししょー……」 「気にすんじゃねーよ、お前の修行の為なんだから」 「僕、お金持ってません……」 「大丈夫気にすんな、俺が払うから」 「あ、ありがとうございます」 「ほれ、早く選びな」 「はい!」 ライチは一通り武具を見ていく。 そして、手に取ったのは…… 「これ……いいですか?」 「そいつは……」 ライチが選んだ武器は……長い紐状の武具。 「鞭?」 「いや、それは似てるけどムチと違うネ、使い方が違うヨ」 「使い方が違う?」 「縄の部分を触れば分かるヨ」 デニは触ってみる……なんだか粘着力を感じる、表面にねばついた何かがコーティングされているのだ。 試しに地面を打ってみると、地面に張り付いた。 まるでクモの巣のように。 これは……面白い。 ライチの武器として良いかもしれない。 それに、この武器の利点も見えてくる。 「そのムチはネロスキュっていう森林国の大蜘蛛の糸から作られた粘砕って武器ネ」 「ちょっと俺が試し打ちしていいか」 「ぶっ壊すなよアル」 デニは粘砕を握り、軽く振り回して…… 「はっ!!」 大きく振るうとしなって、近くの大岩に巻き付くように張り付いた。 「くっついた……でも、ここからどうするんですか?」 「こうするん……だ!!!」 デニは思いっきり引っ張ると、その勢いで大岩は持ち上げられて後ろに飛ばされる。 しかし、問題はその後。 この武器の欠点がすぐに分かる。 「要するにコレって、鞭で相手を捕まえて腕力でぶん投げる武器だ」 「一応骨を折るとかも出来るが、相当な筋肉野郎でもないとそんな使い方は出来ない」 「あんな使い方してる奴は大体3流ネ、本当によく出来るやつは腕力でゴリ押さなくてもゾウくらいぶん投げられるアル」 「ムチと柔道を合わせたものみたいな感じヨ」 「柔道ってなんですか?」 「相手の身体を掴んで、投げたり身体を締め上げる事が多い技だ、パワーをそんなに必要としないのが特徴だな」 だがこれはアリかもしれない。 栄養をつけてきたとはいえライチの体はまだ未発達。 それにあと半年では筋肉を作っていくのは無理だ、なら筋力をあまり必要としない柔術を指南するのも悪くないだろう。それに、この武器はライチにとってピッタリだと思う。 だって…… ライチは強いんだから。 この世界の人間よりずっと…… この世界は弱肉強食、弱者は淘汰される。 ライチはその環境で生き抜いてきた。 だから分かる。 俺は、こいつを死なせない為に 「いくらだ?」 「ジーカで払ってくれるなら1200万『ドン!!』 出来る事の全てをかけてやろう。 「釣りはいらん」 そう言って金の入った袋を投げる。 それを受け止めたのは双子の方だった。 双子は中を見て驚く。 中には大量の紙幣が入っていたからだ。 双子はそれを察したのか、それ以上何も言わず受け取った。 「あ、あいつ、洞窟で生きてる割には、だいぶ金持ってたっぽいけどどういう事ね朱」 「商、お前気付いてないアルか……軽く見た目こそ隠しているが、覇気が消えてない」 「小娘のそばに居たあの男……『たくっちスノー』ネ」 「ハ!?確かそいつって、過去に史上最悪の時空犯罪者と言われ、断罪後はあらゆる世界を練り歩くって……なんでそんなヤツがいたアルか!?」 「知ったことじゃ無いネ、だが……なんか面白そうな気がする事は確かアル」 「とは言っても、ここに滞在しても誰も買ってくれないし無駄アルヨ」 「さっきたくっちスノーは言ってたネ、この世界は貧困者が人権を得るには冒険者になる必要がある」 「ジュ達もアイツと同じもん目指せばいいアル」 それはつまり…… …… そしてデニの方も、購入した鞭を早速ライチに使わせてみる。 握ったばかりにも関わらず、木刀を使わせた時よりも様になっていた。 ライチは才能があるのだろう。 いや、俺が教えた事をすぐに理解して実践出来ているだけか。 「よし、素振りはもういいぞ……次は何かしらを投げて……」 「あ、いえ……ししょー、素振りじゃなかったんです」 「え?……あ!?」 粘砕の先端近く……くっついている。 洞窟の周りを飛び回っていたであろう、小さな羽虫がたっぷりと。 素振りをしていたのでは無い、狙って虫を捕まえていたのだ、あの短期間でここまで。 「ライチ……」 「この鞭、もうちょっと練習してみろ……」
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そして……遂に、運命の日。 冒険者ライセンスを得る為の試験の日が始まった。 外したら終わり、貧困なる者は人権も何もかも失うシビアな世界。 それでも……強くなるためにライチはここまで来た。 あとデニも参加することにした。 「し、ししょー……?」 「ここで少しでも生きるなら持ってて損は無いと言われたからな」 こうして見ると本当に参加者が多い、自分達の他にも数多くの行列がある。 「すげぇな、これ全部冒険者候補か……それがこの街に集結してんのか」 ヤッパン。 ライチによると『千の街』と呼ばれ、世界の中心とも言える大国。 その国には冒険者になるために集まってきた者達が集まっているらしい。 「さぁ!お前ら!全員並べ!」 そう言われて前に行けば、そこには黒髪の女がいた。 「私は今回この会場の責任者を勤めるベルガ・ラディアだ。早速だが試験の内容を説明するぞ」 「事前に調べたものは分かっている通り、今日より数時間一対一のタイマン勝負、これを3日間やってもらう。」 「なお、結果は勝負内容を問わず我々が求めている分野で決める」 「では一日目を開始する!」 開始と同時に皆一斉に駆け出す。 俺はどうしようかと迷っていると、ライチが手を引っ張ってくる。 見れば、既に目の前には対戦相手がいる。 しかも相手は…… 「胡散臭いチャイナ兄妹共!」 「ジュ達のことそんな覚え方してたのかお前!!」 破浪の兄妹達……そういえば、こいつらも冒険者試験に出るとか言ってたな。 「ジュも売った武器相手にするのは慣れてるネ」 「シャンとしては、早めに知り合いと相手取りたいアルヨ」 「確かにそうだ……お前はどっちとやる?俺は兄の方だが」 「となると、僕は妹の………」 と、喋ってる間もなく商のヒザ蹴りがライチに飛び…… 「ライチ!」 デニの方も右腕に鎖鎌が巻き付けられていた。 鎖鎌の先には朱が…… 「悪く思うんじゃないネ、売人は常に”常在商売”、戦士なら”常在戦場”アル」 「この試験にはジャッジもスタートの合図もない、ただ制限時間があるのみ、だったらシャン達は好きなようにやらせてもらうアルヨ」 「うぅ……」 ライチが涙目でこちらを見てくる。 仕方がない、これも生きるため……それにあいつらはライチなんかよりもずっと強い。 ここは、修行の成果に期待してこっちは朱に集中していくしかないだろう。 そう思い、朱に向かっていく。 「まずは、お前から血祭りネェ!」 「おっと、これ返すわ」 デニは手にかかってた鎖鎌を引きちぎり、朱に向かってぶん投げるが、足でサーベルを掴んで跳ね返しそのまま突っ込んでくる。 それに対してデニはハンマーで対抗し、せめぎ合いになる。 「アンタ随分器用なのね」 「お前自分誰か分かってるアルか、『武具商人』ネ、あの時ライチに売ったムチも含めジュが1番売り物の使い価値分かってるネ」 朱の拳をかわしつつ、会話を続ける。 しかし、このままじゃジリ貧…… なんとかしないと…… そう思ってると、突如として自分の腕に痛みを感じる。 見ると、朱の拳が自分の腕を貫いていた。腕にはかぎ爪が付いている。 そしてその勢いのまま、地面に叩きつけられる。 だが、デニもタダでは転ばない……背中からハリネズミのように針を展開して、朱の武器を跳ね除ける。 傷もあっさり塞がる。 「不死の体……ほんッッとそれズルいネ……」 「俺も好きでこんなもの得たわけじゃないがね……」 更に言えば、デニにも武器を好きなだけ生み出す力がある、武具商人には敵わないかもしれないが武器の扱いに関しては負けるつもりはない。 そういえばライチの方はどうだろうか、商と戦っているが……商は、何も持っていない。 「武器、持ってないけどいいの?」 「ああ……商には必要無いネ」 「商はこうやって外部の武具を必要としない、体が武器そのもの、『全身武器』アル」 「こういう点で見れば、商はジュよりも強いアルヨ」 商の拳が飛んできて、ライチがそれをかわす。 すると今度は、足裏のスパイクが地面をえぐる。 やはり、武器が無くても十分戦えるようだ。 ライチは鞭を巧みに操りながら、商に迫るが…… 「おいデニム、ここは一旦待って弟子と妹の戦いを見物といこうネ、どうせ時間は山ほどある」 「ライチ、気をつけろ!その妹マジでヤバそうだぞ!」 「骨にかかる負担を99%まで和らげる『柔拳』……シャンは朱よりコレを極めたことで、髪の毛先から足のつま先まで、全部分が凶器になったアル」 商は、まるで踊ってるように軽やかなステップを踏み、ライチの攻撃を避けている。 ライチは必死になって攻撃しているが、掠りもしない。 商の蹴りがライチの腹に入り、そのまま吹き飛ばされる。 「痛いか?商の足で蹴飛ばすのと、デカいハンマーで殴り飛ばすのとでは大きな差がアルネ」 「アレが全身武器……?」 「足は踵を当てれば巨大な木槌、爪を軸にすれば下手な刀より斬れる、もちろん足だから絞め技も出来る」 「脚部分だけでこれだけ出来るアル、全身武器の恐ろしさはその『利便性』ネ」 商は、ライチの鞭を掴み、そのまま引き寄せて顔を鷲掴みにする。 商はそのまま、投げ飛ばして地面にぶつける。 ライチの意識が飛びそうになるが、なんとか立ち上がろうとするところを…… 「立ち上がろうとするのは典型的な隙アルネ……!!」 商はその瞬間を見逃さず、ライチのすぐ側で膝をつき……大きく腰を上げて、胸部をぶるんと揺らし…… 乳房を脳天に叩きつける!! 「な……あ、あ、胸を鈍器みたいに!?」 「何驚いてるアル、そもそも乳というのはデカいと肩がこるくらいの脂肪の塊ネ」 「アレで勢い良く叩かれたら普通に痛いアルよ」 「しかも全身武器である商のパイパイは、ただのパイパイではないネ、アレを作るために数多の努力を重ねてきたし、商売でも割と使えるアルヨ」 「いや……それよりライチ!!大丈…… と、横からナイフが飛んでくるが、それを掴む。 「勝負再開ネ、もう向こうの決着は付いたんだからこっちの戦いに………」 「そうだな……」 デニはナイフを破壊し、右足を巨大な塊へと変化させながら迫って…… 「こっちもすぐ決着が着く」 「へ?」 ______ズッ!!